カズ・カタヤマ氏による 「ステージ・サロンマジック入門講座」の第11巻。 今回はいよいよ本格的な「四つ玉」を取り上げます。
「四つ玉」に関しては、本講座の第7巻「フェイクパス編」の中で 一度「四つ玉の手順・ノーギミック版」を解説いたしました。 その際、「今後、一般的な手順を取り上げる機会もあると思いますが…」 と申し上げた、その機会が今回来たわけです。
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マニピュレーション/ステージ・スライハンドの代表的な演目の1つであり、 現在でもサロン・ステージでマニピュレーションを志す方にとっては 基本となる題材です。
基本技法としてパームを使用しますので、そこに不安のある方は 本講座の第4巻「パーム編」もご参照ください。
また、第7巻「フェイクパス編」では上述したように 「ノーギミック版」の「四つ玉」手順をすでに取り上げております。 そちらも参考になさってください。
ちなみに、この7巻の手順では、一般的に四つ玉における 重要な「タネ」とされる「シェル」を使っていません。
シェルという「ギミック」を使わないから「ノーギミック」という意味です。 タネの部分ですからどこまでご説明していいか難しいですが 四つ玉ではこのシェルが大変重要な役目を帯びます。
ノーギミック版の手順は、これはこれで利点もありますし 悪いわけではないのですが、その意味では、どちらかと言うと 「変り種」に属する手順であり、四つ玉本来の面白さや良さを 十二分に含んでいるとは言えません。 今回は、より本格的な手順を多数、じっくり解説いたしますので ぜひご堪能いただきたいと思います。
シェル1個、ボール3個の「組合せ」が、四つ玉においては 「基本セット」となります。今回もまた複数の手順を解説していますが ボールに関してはこの基本セットで行える手順のみを収録しています。
********************************************************** 四つ玉の基本原理は、シェルにあります。
このシェルの存在こそが、四つ玉の最大の特徴であり だからこそ、その「原理」を考え出したド・コルタを四つ玉の 「開祖」「始祖」としているわけです。
シェルを用いることで、全く1個しかないボールを目の前で 2個に増やしてみせることが可能になります。 「逆もまた真なり」で、玉を跡形もなく消す(減らす)こともできるわけです。
また、ある程度「四つ玉」を手がけられた経験がある中で 「シェルを使わない手順」を試された方はお分かりになると思うのですが 本当にボールを4つ持っているというのは、限界ギリギリ。余裕がありません。 満杯、ある意味「いっぱいいっぱい」の状態です。
シェルを用いることで、ボール1個分の体積的な余裕 スペースが生まれるため、この「手一杯」感、「手に余る」感じが だいぶ緩和され、手順を「動かしやすく」なります。
この1個分の空間的余裕を、ワンアヘッドの原理や パームテクニックなどと組み合わせて上手く活用し 巧妙に手順を組み上げていく、これが四つ玉の醍醐味なのです。
ですから、四つ玉の用具に関しては、一般的なセットで構いません。 お持ちの方は、それをお使いください。
カタヤマ氏は、大きめの玉を推奨しています。 指を締め付けて押さえ込まなくても 指間に「はまって」落ちなくなるくらいが良いそうです。
滑りづらい「シリコン製」の四つ玉を、商品としても取り扱っております。 カタヤマ氏推奨のもので、シェルもシリコン製です。 お持ちでない方は、ぜひそちらをご利用ください。
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なお、基本手順・応用手順以外に、発展手順として 「ケーンとボールの手順」も解説しております。 冒頭にバニシング・ケーン、クライマックスに アピアリング・ケーンを組み込んだ演技となります。
このため、今回のDVDには、ケーン用具の基本的な使用法 取り扱いかたの解説も、収録しております。
カタヤマ氏の演技映像をご覧いただければ 皆さんもきっと演じたくなることでしょう。
四つ玉だけでは地味になりがちな演目ですが シルクも絡め、ケーン(ステッキ)を使ってこのように組み合わせて フレーミングすると、俄然、大舞台で映える見栄えの良い演技となります。 ぜひ、ご研究くださいませ。
「四つ玉」だけでなく「ケーン」の基本的な取り扱いも学べる、お得な一巻です。 「ケーン」に興味をお持ちの方も、ぜひご覧になってみてください。
******************************************************** 第11巻:本格スライハンド 四つ玉編 ********************************************************
■四つ玉について
●基本技法のおさらい ■フィンガーパーム ■クラシックパーム ■ローリング ■フェイクパス ■フレンチドロップ
●ステップ1 基本編 ■シェルとその扱い方 ■シェルによるボールの増減 ■シェルへのロードとスチール ■見せ方と立ち方
【手順1】 四つ玉 基本手順 ■必要なものとセット ■手順 ■テーブルを使わない方法 ■減少していくボール ■シルクになるエンディング
●ステップ2 応用編 ■シェルのあらため
【手順2】 四つ玉 応用手順 ■セット ■第1段:1個から4個に増えるボール ■第2段:4個が一瞬で1個になり再び1個ずつ出現 ■第3段:右手4個が1個になり左手で一瞬に4個になる
●ステップ3 発展編
【手順3】 (発展手順) ケーンとボールの手順 ■必要なもの ■バニシングケーンの扱い方 ■アピアリングケーンの扱い方 ■ケーンの回し方
■準備 ■第1段:ケーンがシルクになりボールが現れる ■第2段:シルクによるボールの増加 ■第3段:両手でのあらため ■第4段:4個が2個になり一瞬で4個にもどる ■第5段:4個が一瞬で1個になり一瞬で4個にもどる ■第6段:ボールが増え続けて最後にケーンになる
■おわりに
━…━…━…━…━…━…━…━… ■【ステージマジック基礎講座11】ショーにおける手順の構成
前回は、個別の作品としての「ルーティーン」の考え方を紹介しました。 今回のテーマは「ショーにおける手順の構成」。 個々の作品を積み上げて1つのショーを構成する より大きな意味での「ルーティーン」ということになります。
「起承転結」の重要性など、よく言われることではありますが なかなか実際に行うと難しいものです。 この講座で学んできた作品を実例として挙げているために 具体的で分かりやすい説明となっています。お楽しみに。
聞き手:眠都(ミント) |