東京にお住いのクロースアップマジックファンなら
1度くらいは参加したしたことがあるのではないでしょうか?
たっぷりとクロースアップ
クリエイターである荒井晋一氏が毎年1回
開催している、クロースアップをイヤ!ってほど
見ることのできるイベントです。
そして、毎回このたっぷりとの会では荒井晋一氏の
最新の作品をたのしむことができ、そしてその作品集である
「アフェクションズ」が発表されます。
これまでに、とんでもない数とクオリティの作品を
作り続け、今なお新作をリリースしつづけているのですが
今回はついに、オーダーでデックを作ってしまった
という所まで来ました!
カードシャークへ依頼し、カルタムンディ製のデックが付属するという
とんでもなく豪華な作品集ができました!!
今回の冊子は、トリックデック特集です。
どれもが一ひねり効いている現象たちですので
楽しみください。
解説されているトリックは5つです。
オンリーワン(デック付き)
赤裏のデックを表向きに広げて、観客に1枚のカードを
選んでもらいます。
デックを裏向きに広げていくと、1枚だけ青裏のカードがあり
再度表向きに広げると、観客のカード以外がブランクになっています。
ラフアンドスムースではなく、選ばれるカードもかなり自由な状態て
この現象を達成しています。
オンリーワントライアンフ
トライアンフ現象を行いつつ、上記のオンリーワンデックの
現象が起こってしまいます。
デックに対して少々?の加工が必要になりますが
加工済みのデックでも、オンリーワンは演じられるそうです。
(ベターは、2デック持っておくことかと思います(笑))
ジャストインタイム
1組のカードから、観客の覚えたカードを探していきます。
5,6枚に絞ってから、さらに1枚に絞り
見事にカードを当てます。
そして、相手の選んだカードを裏向きにすると
時計の文字盤が描かれていて
なんと今現在の時間をぴったりさしています!
市販のトリックデックを加工することになりますが
1度作ればいいので、くじけずに行ってください。
たっぷりとの打ち上げの場でも演じたのですが
その際に、見ていた出演者から驚きの声が上がったほどの
トリックです。
オーバーザスペクトル
カラーチェンジングデックの手順なのですが
スペクトラムデックの商品特性を存分に利用しています。
青裏のデックを取り出し、1枚を選んでもらいます。
デックの中に戻してスプレッドすると、裏の色がレインボーになっている
カードがあり、それが観客の選んだカードです。
もっとレインボーにしましょうと言い、デックをターンオーバーすると
デック全体がレインボーになっています。
フォーチュンダイス(ギミックカード付き)
よくシャッフルしたデックを広げてジョーカーを観客に渡します。
デックの好きな所に差し込んでもらい、その上下にあるカードと
一緒にケースに入れておきます。
その後、見えないダイスを2人に振ってもらい
1人は奇数、一人は偶数の目を言ってもらいます。
その枚数目のカードを覚えてもらい
デックに戻したらシャッフルしてカードを表向きに
配っていきます。
2人の覚えたカードは無くなっていて
先ほどケースに入れたカードがそれなのです!!
このギミックカードも冊子に付いてきますので
実質、2デック分のトリックデックを手に入れることになります。
商品は、冊子1冊、特殊デック1つ
フォーチュンダイス用ギミックカードが1式です。
もちろん解説は日本語です。
ただし、若干マニア向けに書かれているものですので
細かな解説がされていない個所もあります。
カードマジックに多少慣れている方にお勧めです。
一ひねり効いた現象やトリックを手に入れたいのでしたら
荒井晋一氏のトリックは、まさにそれですので
お見逃し無いように!!
P.S.
ここからは今回の付属のデックが出来上がるまでの
製作秘話になりますので、ご興味ある方のみ、お読みください(笑)。
冊子にも記載されている、既存の特殊なデックの在庫を
世界中に聞いてみたのですがどうも、もう作ってもいないし
クリエイターの手元にもないとのことで
こうなったら、オリジナルで刷ってしまえ!となり
荒井氏オリジナルのデック製作がスタートしました。
既に荒井氏の頭の中にはデックの完全な状態がイメージできていましたし
荒井氏の持っているコレクションから、プロトタイプのデックはできていました。
その演技の流れの映像とカードの構成を映像にして
カードシャークに送り、製作可能か?などを確認しオーダーをしました。
ただ、この依頼をした後でバイスクル社がカルタムンディに
買収され、もしかするとスケジュール通りに上がってこないかも・・・
という懸念がありました。
シャークに確認を取ろうとしても、なぜだか返事が返ってこないことも!
かなり焦りつつ、何度かメールを送っていると、ようやく
カルタムンディからもOKが出て、期限までには大丈夫だ、とのこと。
この時提示されたスケジュールも、たっぷりとクロースアップの1週間前
程度に入荷するという、結構ぎりぎりの状態で、印刷開始後も
何度かシャークとのメールのやり取りをして、進捗を確認していた所・・・
明日発送、という段階で謝罪のメールが来ました。
簡潔に言えば、倉庫に置いて明日の発送を待ってたら
スプリンクラーが壊れて、水が漏れ、全部濡れてダメになった、と。
これが分かったのが開催1週間前
ほぼ他のすべての準備が出来上がっている時です。
会でアフェクションズを購入された方には後日発送
という事にするという事で、すぐに再印刷をするように依頼しました。
元々からしたら半月位遅れてようやく入荷して
デックを確認してみたら・・・これまた誤算が・・
シャークのデックは基本的にUSプレイングで刷っているものです。
箱を見ても、そのことは記載がされています。
届いたデックを手に取ってみたら、質感が違います・・?
ケースを見たら、EUで刷っていて、カルタムンディ製とのこと。
カードのクオリティに関しては、おそらくコパッグなどに
近い状態などのだと思います。
(そういった意味からも、実は非常に貴重なフェニックスデザインのデックです)
そしてもう1点、デック構成の動画や画像も、間違いが無いように
何パターンも送っていたのですがなんと、2枚印刷ミスが!?
ここからが荒井氏のすごい所なのですが、すぐに手元のデックに合わせて
セットを微修正し、その訂正の紙をデックに付けてお客様に送ったそうで。
この辺の思考の柔軟さや対応の素早さにも感服でした。
ですので、ショップ経由でアフェクションズ43を購入される方は
最初から訂正の紙が入っております。
実際のたっぷりとの会の時には、前日に台風が来ていたこともあり
若干開催が危ぶまれたのですが、水入りだったのはデックだけとなり
無事に開催されました。
カードシャークとカルタムンディからは、まさに平謝りのメールが
荒井氏宛に来てましたし、ミスしていることを伝えたら
「作り直すか?」などと、提案もしてくれました。
それに関しては「クリエイターが機転を利かせて対応したから、大丈夫!」と
伝えておきました。
(日本のクリエイターの底力を思い知れ!(笑))
そんなこんなのすったもんだがあったデックですので、ぜひ手にして
その出来を確認してみてください。
ちなみに、デックはラージインデックスで作ってありますので
レギュラーのラージインデックスとデックスイッチなどが可能かと思います。
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