ステージ・サロンマジックの華、シルクマジック 見た目に色鮮やかで美しく 見るからに楽しいステージを演出できます
今回は実用的な作品を厳選して集成、シルクマジック傑作選となる カズ・カタヤマ氏による「ステージ・サロンマジック入門講座」の第8巻!
シルクマジックに関しては、このシリーズの第1巻でもいくつかの作品を取り上げ、 また第2巻では、基本技法となる「結び解け」とそれを活用した様々な手順を ご紹介いたしました。
これらを既に押さえている方は、もう、基本はある程度できたも同然。 ここから先は、実践的なレパートリーを学んで、人前で演じるのみです。
なお、今回は「作品」メインで、幅広い内容を取り上げています。
「結び解け」を応用した作品は第2巻でかなり集大成して解説いたしましたので、 (シンパセティックシルク、別名「6枚ハンカチ」に至るまでご紹介しました) 今回ご紹介する作品の中では、逆にあまり「結び解け」の高度な技術は使っておりません。 (結ばれた2枚が引っ張るとほどける、基本的な「スリップノット」程度です) 第2巻をご覧になっていない方でも、シルクマジックの傑作集として、この第8巻から お楽しみいただくことも十分可能です。
内容的には、シルクマジックの「傑作集」。 比較的手軽に演じられるものから、相応の準備をして演じる本格的なマジックまで、 様々な作品を収録しています。
中でも、後半の「本格手順編」の中にある「プロダクションルーティーン」は、 大量のシルクを出現させる超ド派手な連続手順。 一連の流れの中に、「ドリームシルクプロダクション」「もみ出しシルク」、そして 「ブレンドシルク」という3つのマジックを詰め込んだ壮大なステージ用アクトです。
数百人レベルの客席を擁する大舞台でも演じられて十分クライマックス用の トリネタ足りうる大迫力のフル・ルーティーンを、ぜひご活用ください。
また、今回のカタヤマ氏の「こだわり」は、 「使用するシルク自体には、一切の仕掛けをしない」ということ。 すなわち「ギミックシルク」は、使用しておりません。
シルク自体に細工・加工をするような作品は、意図的に排除。 その手順専用の特殊なシルクではなく、レギュラーシルクを使用しているため、 まず、道具(シルク)の使い回しができて経済的です。 もちろんそれだけでなく、手軽に練習できたり、作品を繋げて手順化したい場合にも、 制約が少ないので、やりやすくなっています。
それだけでは、手順にインパクトが作れないのでは? とお考えになる方もいると思います。特殊なシルクは使用しないのですが・・・ シルク以外のものを加工したり、付加的なギミックも使用しています。
特に今回のDVDでは「ハンクボール」(ハンカチーフボール)というギミック、 そして「引きネタ」というシステム(原理・機構・装置)を、それぞれ コーナーを設けて取り上げています。
これらのギミックについて、あまりご存知ではない方も いると思いますので簡単にご説明します。
「ハンクボール」(ハンカチーフボール)は、クラシックなギミックの1つですが、 形状・構造のあまりのシンプルさから、道具を見ただけでは何にどう使ったらいいのか 皆目見当がつかないギミックの代表格といえるでしょう。 なにせ、ボールに穴が開いているだけなのです。
基本的にはシルクの出現、または消失に使うための道具です。 秘密裏に用いるギミックであり、観客の目に触れることは一切ありません。 縁の下の力持ち、的な立ち位置ですね。
特徴としては、比較的「容量」が大きく、45センチ角などの大きめのシルクを 複数枚、取り扱う(出現・消失させる)ことが可能です。 シルクは、そのままではフワッと開いてしまいますから、特に複数枚をベアで パームして扱う、といった操作が極めてやりづらい素材なのです。 ハンクボールというのは、要はそれをやりやすくするための「収納容器」なのですが、 パームやトランスファー等のテクニックが行いやすいように、最もベーシックな 形状である「球」(ボール)になっているわけです。
シンプルな用具だけに、使い方のアイデアとハンドリングが重要。 上手く使えばとても有用な道具です。今回は3つの手順を紹介しています。 「ハンクボール」自体をお持ちでない方は、ぜひ併せてご用意くださいませ。
なお、ハンクボールは、ほぼ「シルク専用」のギミックですので 第6巻「ギミック編」ではなく、今回、このシルク編で解説することにいたしました。
「引きネタ」は、マジシャンなら誰しも聞いたことくらいはあるでしょう。 しかし、実際に使ったことのある人は、そんなに多くはないかもしれません。
袖や上着の内側などに「引き込んで」物を消失させる・処理するのが「引きネタ」。 この原理は非常に強力で、上手く使えば、魔法のような効果をもたらしてくれます。 終了後(現象の起こった後)には、観客の見える範囲に一切の証拠が残りません。
その一方で・・・
「準備が面倒」とか「失敗の危険がある」とか「オープニングにしか使いづらい」とか。 果ては「知られすぎてる」だの「原理が原始的すぎる」だの、ひどい言われようを する場合もあり、まさに毀誉褒貶、相半ばするといったところ。 好き嫌い、好みが分かれるものであることは確かです。
ただし、好き嫌いだけで、観客をあっと言わせることのできるギミックを 使わないというのは、もったいなくは無いですか?
その好みの基準も、自分が演じたわけではなく、単に人から聞いただけ・・・ なんて、あやふやな情報で決めている方がほとんどだと思います。
今回、この「引きネタ」に関して、正しく、総合的に理解をしていただくべく 極めて詳細に解説していただきました。 一口に「引きネタ」と言っても、異なるいくつかのタイプがあります。 それを4つに分類し、それぞれの使い方、そして、それぞれの特長・利点を説明。 特に「身体の動きに連動して引き込む」タイプは、詳しくご存じない方も多いでしょう。
「引きネタ」に関して、ここまでの内容の体系的・網羅的な解説は、他に類を見ません。 そして手順の例も3種類ご紹介。 この巻の1つの目玉といえるコンテンツであり、ご満足いただけるものと思います。
最初、研究段階では用具の製作や適正な長さの調整など多少の面倒はありますが、 その辺りをクリアしてしまえば、装着自体はそんなに大変な作業ではありません。 実際にやってみると、練習段階ではさほどの面倒はなく、むしろ、こんなに 楽しいものはありません。一度セッティングしてしまえば、一生使えます。 チャレンジしてみていただければと思います。
大好評のコーナー企画「ステージマジック基礎講座」ですが… 今回は、「ミスディレクション・パート2」。 前回に引き続き、マジックを理解する上での要というべき 「ミスディレクション」の理論を楽しく学んでいきます。
前回ご説明した観客の「心の性質」に基づき、それを実際の演技の中で どのようにミスディレクションとして機能させるか、具体的に見ていきます。 こちらも必見の内容です。お楽しみに。
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■はじめに 今回収録のシルクマジックの特徴を説明。 さらに参考DVDなども紹介しています。
●基本手順編
■シルク切り シルクの両端が見えた状態で、中央を紙で包み、ハサミで一刀両断! 完全に2つに分割してしまいますが、合わせて引き出すと見事に復活しています!
■コップから抜けるシルク 1枚のシルクを示して、透明コップの中を押し込みます。 コップに別のハンカチをかぶせ、輪ゴムをかけて口を封じます。 ところがマジシャンは、中のシルクを、コップの底を貫通させて抜き出してみせます! もちろん、コップをよく見せますが、どこにも穴など開いていません。
■ロープから抜けるシルク ロープとシルクを互いに縛って結び付けますが、貫通して外れてしまいます。 シルクには結び目が残ったまま取れるところが面白いのです。
●ハンクボール編
■雑誌からシルク 雑誌をパラパラめくっていき、ストップをかけてもらいます。 そこのページを破り取って丸めると、中からシルクが何枚も、どんどん出てきます。 ページはフリーチョイス、雑誌に仕掛けはありません。
■新聞からシルク よくあらためた1枚の新聞紙から、シルクが次々と現れます。 巧妙なあらための動作が、不思議さを強めています。 こちらも新聞に仕掛けはありません。 (日本で古くから「新聞から」と呼ばれているものとは別のマジックです)
■シルクを生むシルク 1枚のシルクから、次々と別のシルクが引き出されて現れます。 4枚が出現した後、最後に意外にも、5枚のシルクが一瞬に空中で結び合わされて 長く連結してしまいます。 マーコニック氏の傑作アイデア。 45センチシルクが5枚登場する、派手で華やかなマジックです。
●本格手順編
■色変わりシルク 紙筒に1枚のシルクを押し込んで空中に吹き上げると色が変わって飛び出します。 もちろん筒の中には何も残っていません。 大胆なアイデアで、ギミックを一切使用せずに行えるようにした方法。 知らなければマジシャンでも引っかかるでしょう。
■20世紀シルク 1枚のシルクが消えて、別の2枚の間に飛び込んで結ばれる… シルクマジックのクラシックで、様々な方法が考案されています。 第1巻でも「新聞20世紀シルク」を解説いたしましたが、 今回は、ダイ・バーノン氏が発表した方法を紹介。 レギュラーシルクで巧妙に演じる、比較的手軽なやりかたです。
■プロダクションルーティーン 3つのトリックを繋げて演じる本格的な手順です。 なお、それぞれのアイデアを個別に活用することも可能です。 また、この手順用のシルクセットも別売しております。
●ドリームシルクプロダクション 1枚のシルクを振ると、もう1枚のシルクが下端に結ばれた状態で現れます。 2枚は引っ張るとほどけて分離します。 そのうちの1枚を振ると、またもう1枚が現れ…これが何度も繰り返されます。 複数枚のシルクを次々と出現させるには手軽で実用的、有名な方法の1つです。
●もみ出しシルク シルクの束を集めて揉んでいると、中から小さいシルクがどんどん溢れて出現。 大量のシルクがこぼれ落ちて舞うさまは、シルクマジックならではの美しさです。
●ブレンドシルク 4枚の小型シルクを手の中で丸めて、広げると、1枚の大きなシルクに! クライマックスに最適な演技です。 レギュラーシルクのみで演じる方法を解説。
●引きネタ編
■引きネタについて 4タイプに分けて、原理・構造から使い方、コツに至るまで詳しく解説。
■シルクの瞬間消失1 透明のコップに、まず1枚のシルクを押し込み、さらにその上に もう1枚のシルクを入れます。 一振りすると、下側のシルクのみが目の前でコツゼンと消えてしまいます。 コップはレギュラーです。
■シルクの瞬間消失2 コップに入れた数枚のシルクが、一気に消失します。 コップに細工をしますが、それに見合うだけのビジュアルさがあります。
■シルクの瞬間移動 マジシャンが持ったコップの中のシルクが目の前で消えてしまい、 次の瞬間、アシスタントが持ったロープの中央に結ばれて現れます。 2人がかりで演技を大きく見せるステージングのレッスン。
■【ステージマジック基礎講座8】 ミスディレクション・パート2 「フィジカル・ミスディレクション」と「サイコロジカル・ミスディレクション」。 ミスディレクションを2つに大別して、それぞれを具体例とともに解説。 前回の「観客の心の性質」とも関連付けて説明しています。 (ミントさんの季節感のない格好にも、ご注目(笑))
サロン・ステージで非常に栄えるシルクマジック。 内容が手順になってきていますので、非常に即効性のあるDVDに なってきています。
ぜひ、ご覧いただいて、ステージを華やかにしてみて下さい。
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